大泉洋と劇団ひとりがまるで本当のコンビみたい。『青天の霹靂』試写会感想。

先日、『青天の霹靂』の試写会に行ってきましたので、その感想でも。

劇団ひとりの監督デビュー作でそこそこの注目を集めている『青天の霹靂』。個人的には可もなく不可もない作品で、点数で言えば厳しく見て65点ぐらい。

場末のマジックバーで働く、さえないマジシャンの轟晴夫(大泉洋)。ある日、彼は10年以上も関係を絶っていた父親・正太郎(劇団ひとり)がホームレスになった果てに死んだのを知る。父が住んでいたダンボールハウスを訪れ、惨めな日々を生きる自分との姿を重ね合わせて涙する晴夫。すると、突如として青空を割って光る稲妻が彼を直撃する。目を覚ますや、40年前にタイムスリップしたことにがくぜんとする晴夫。さまよった果てに足を踏み入れた浅草ホールで、マジシャンだった父と助手を務める母(柴咲コウ)と出会い……。                         
[シネマトゥデイより引用]

あらすじは以上の通り。 

映像面の特徴としては、カメラの長回しと遠景シーンが多い印象。役者の顔を長く映したり、街並みを遠くから見せたり。もうすこし少なくしてもいいんじゃないかなとは思いました。そのせいで物語後半で少しダレました…。ただ、大泉洋が演じる春夫がマジシャンという職業のため、手品を見せるには長回しが必要なのも確かで、その辺りのバランスが難しかったかなとも思います。

ストーリー自体は至ってシンプル。シンプルすぎて先が読める展開も。これを王道とみるかありきたりとみるかによって評価が分かれると思います。あとは物語終わりのどんでん返しを許容できるかどうか。私は現代に返ってから春夫の成長具合を見たかったのですが、そのあたりは描かれていなくて残念かなと。2時間の尺をとって、父親と母親の出会いを丁寧に描く・精神的に成長した春夫を現代の時間軸で見せる、の2つを描いていればもっと感動できたかなと。

見どころは春夫の手品シーンかな。CG等の技術を使わず、全て大泉洋自身が行っているのが普通にすごいです。4ヶ月練習したとのことですが、4ヶ月でここまで出来るのかと驚きました(トレーナーはついているけども)。

出演者で気になったのは劇団ひとりが演じる必要があったのかということ。劇団ひとり演じる正太郎が助手の妻にほっぺたをビンタされるシーンが、しょっちゅうあります。笑わせる演技としてはいいのですが、感動できるシーンでもこの演技をやるので困りました。だって、このほっぺたをビンタされるシーンを見ると、『ガキの使い 笑ってはいけない』シリーズが脳内で再生されるんですもん。私はよくこのシリーズをDVDで見ているので、感動できるシーンでもそれが再生されて…。劇団ひとりはお笑いのイメージがまだ強いんですよね。ただ、大泉洋と劇団ひとりのコントが面白い作品でもありますので、これまたバランスが難しい。

だいたい感想としてはこんな感じです。泣いている人も多かったので、感動できる作品ではあるとは思います。ただ期待しすぎた自分が悪かったのかな…。シンプルなストーリーで気楽に見られる作品だとは思うので、「複雑じゃなくて、たまにはさっぱりとした物語を見たい」という方にはオススメです。

ちなみに、父親いわく時代考証がおかしいらしいです。40年前の車はこんなに古くないとか。そのあたりは私には分かりませんが、スタッフに時代考証の人はいなかったような気がします。見逃していたらすみません(o_ _)o





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